ジャニオタがアイドルマスターシンデレラガールズのアニメを見た:後編

 

『新たな光に会いに行こう』

14人のシンデレラたちが手を伸ばし、『新たな光』を手にします。しかし、島村卯月ちゃんの手のひらには、何も、無かったのです。

アニデレの全てがこのシーンに詰まっていたんだなと気付くのはもう少し後のお話でした。

 

 

こんにちは。和紀。です。

前回の『ジャニオタがアイドルマスターシンデレラガールズのアニメを見た:前編』は驚くくらい沢山の方に見て頂いていたようで驚きました。(友人にバズってんぞと言われて知る)後半も前半同様ジャニオタが見た感想を綴って行きたいと思います。前半に比べ書きたいことが多くあるので長くなるかと思いますが、お付き合いいただけたらと思っております。

 

14話は1期2期の繋ぎのお話なので割愛しますが、美城常務の「クライアントが先に会うのはアイドルではなく君だ」というセリフは当たり前のことではありますが、ハッとしました。アイドルよりもPの評価が低ければアイドルのお仕事に繋がらない。オタクもそうですよね。あの作品のあのジャンルのオタク印象悪いから近付かない。て、勿体ないことだったりもします。(という自戒。私も苦手なものはあります)

2期は1期を踏まえ、CPのアイドルと346プロに所属しているアイドルとのお話、そして美城常務の改革のお話となっています。まー、しんどかった。後半こそジャニオタ絶対に見た方がいいと思うくらいにしんどかった。見るの投げたくなるくらいにはしんどかった。それでも見続けたのはアイドル達が確実に成長していってるのがきちんと描かれていたからです。本当なら1話1話書きたいことがあるのですが、そうすると2018年迎えてしまいそうなのでチョイスして書いていきたいと思います。

美城常務は346プロの方針として完璧なアイドルを発信するために現時点で設立されている部署、プロジェクトを全て解体してしまいます。

……これどっかで見たな。あぁ、そうだな。友人との会話でした。ジャニーズJrは何百人と東西合わせて所属しています。その中でもユニットとして活動しているのはほんの一握り。私の担当もユニットはありません。しかし、ユニットに所属していても安心はできず、Aというユニから新しく作ったBというユニットに引き抜くこともあればCくんがDというユニにいたのに気付けばEくんと入れ替えられていた。なんてことも多々あります。運営の一声でアイドルて翻弄されるんですよね。解体を言われ、346プロ内も不穏な空気となります。白坂小梅ちゃんと星輝子ちゃんが俯きながら廊下を歩く姿は心苦しくボロボロと泣いてしまいました。みんな、『居場所を無くしてしまった』のです。必死に右も左も分からずにアイドルをして、作り上げてきたものを一瞬にして壊されてしまう。怖い。こんな事あっていいはずないんです。でもやっぱり、チャンスはいつだって不平等で、それまでの努力を嘲笑います。アイドルがファンの事を考えていないのではなく、運営がファン込みでアイドルを動かしていないことに気付かされます。

その改革の中で自分を貫く人も沢山いました。

高垣楓さんはまさにその1人で、美城常務の誘いに乗れば今までよりも大きな仕事もできたと思いますし待遇だって全然違っていた筈なのに、『お仕事に大きいも小さいもないですから』と答えてくれました。楓さんのファン、めっっちゃ幸せだなこれ!オタクていつも自分勝手で少しアイドルが前に進むと『遠くに行っちゃう』という感覚に陥ります。勿論、私もそれは嵐で嫌というほど経験しました。でも、そもそもアイドルは遠い存在なんです。というか、遠い存在で私はいて欲しい。というのが私の考えです。けれど、色んなお仕事をする度に、ライブのチケットが取れない現実に嬉しい反面沢山泣きました。でも、アイドルにとったら仕事の大小なんてないのかもなーて。どれもお仕事でどれも全力でそれを理解してないのはいつだってオタクの方なのかもなぁ、ということに楓さんの言葉で気付くことができました。じゃなきゃ、アイドルも『あの時の~』て何年も前の思い出話が不意に口を付くことも無いのだろうと。アイドルはいつだって、アイドルなんです。

ニュージェネ×楓さんから始まり、凸レーション×美嘉ちゃん、CANDY ISLAND×KYD、*×木村夏樹ちゃん、ウサミンとお話は続きます。

みくちゃんとウサミンのお話は「自分を曲げない」をテーマに常務によりキャラ変を強いられるお話でしたが、その時々で変化をアイドルは求められてきます。やりたくない事、苦手なこととも遭遇してしまいます。ウサミンはまさにこれでした。ウサミンじゃない、菜々ちゃんにとってウサミンがアイドルなんだよね。それを取ってしまうとどうしていいか分からなくて、その迷いがイベントの時も前面に出てたなぁ、と。だから自分を目標と言ってくれて声を上げてくれたみくちゃんに救われただろうし、また自分を曲げずに貫く大切さもここでみくちゃんは学んで。何が凄い、て、迷うみくちゃんを全面的に信頼した李衣菜ちゃんがこの回にいましたが、別の回では「李衣菜ちゃんを信じてるにゃ」と本当のロックがしたい李衣菜ちゃんがなつきちと*との事で悩んでる際に出たこのセリフ。*て自己主張激しくて喧嘩ばかりだけど、めちゃくちゃ当然のようにお互いを信用してますよね……エモい……李衣菜ちゃんは理想とするロックが目の前にあって、凄く惹かれるけど、やっぱり*が好きなんだと再確認して、「自分がロックだと思ったものがロックなんだ!」は、「みくは自分を曲げないよ!」に繋がるんですね。

そして、美嘉ちゃんと凸レーションのお話。このお話もそうですが、美城常務は『アイドルが自分を曲げなければならない仕事を』徹底的にアイドルに振っていきます。確かに、効率的で生産性もあって新しいファン層の獲得にも期待できそうな企画ではありますが、アイドルの気持ちは後回しでした。やはりここが武内Pとの大きな違いではありますが、運営側としては、何一つ間違ってはなくて、理想と現実て相容れないなぁ、と。

美嘉ちゃんのお話に感心したのは美嘉ちゃんと同じ立場にみりあちゃんを持ってきたことだと思います。自分というアイドルを否定され、妹のことも傷つけてしまって美嘉ちゃんの自身がどんどんしぼんでいく中で、みりあちゃんの、「おねえちゃんも、泣きたい時あるよねー」は響きました。自分も長女で、長女て無意識に『頑張らなきゃ、期待に応えなきゃ』と思う節もあって本当はそんなに頑張らなくてもよかったのに、空回りすることだらけで。みりあちゃんだって寂しかったのに、同じ立場でしか共有できないものを共有して2人はまた前に進みます。自分らしくありたい。だからこそ、メイクもファッションもいつもと違うのに、自分らしいポーズを思い切って取ってみたら、それがカメラマンさん心に響いて、ほら、自分の信じたことは誰かに響くんです。響かせる力を持ってるんです。

デレアニを見た方々の中で『ファンのこと考えて無さすぎじゃない?』と仰っる方もいたようですが、そもそもCPはアイドルになったばかりのアイドルで彼女達は『自分たちがアイドルとしてどう前に進むか』をメインに描かれていたのが1期でそれは決してファンを疎かにしてる訳ではないと私は思いました。ファンとどう接していくか。それは2期の前半パートで先輩アイドルが教えてくれています。新入社員が突然チームのことを考えて働けないのと同じで少しずつ先輩に教わり学んでいきますよね。まさにそれだなぁと。凄く話の構成作るの上手いな……とただただ感心していました。KI×KBYDのパートは別の記事で大いに書かせていただきたく思いますので此処では触れずに起きたいと思います。あの回は私のオタク人生の中で本当に大切なお話でした。

 

そして各ユニットのお話が終わると岐路である20話へとお話が進みます。

『Project Krone』。シンデレラプロジェクトが成長していくアイドルだとすればKroneは完成されたアイドルというコンセプトという印象を受けました。身近なアイドルではなく洗礼された手の届かないアイドル。まさにお城のお姫様。美城常務が求めてるものは今の日本にないアイドル像でもし現実にこのプロジェクトがあるとしたら、魅力的かもしれません。そういうアイドルがいてもいいと思うんですよ。受け入れられるかは別として。

このプロジェクトにCPからアナスタシアちゃんと渋谷凛ちゃんが選抜されます。容赦ねぇなほんと!!関西Jrから某人を引っ張っていった関東かよ!と思ったけど結局行く行かないは本人の意思だし、そんなチャンスを棒に振るのもアイドルとしてはガッカリすぎる。だから、悩んで悩んで冒険がしたいと踏み出したアーニャちゃんは美しかったし、相乗して新しいことをはじめた美波ちゃんも美しかった。総じて、LOVE LAIKA尊い。凛ちゃんもNGが大好きで自分とTriad Primusという新しい可能性に手を伸ばしたい自分の葛藤の大きさ。未央ちゃんが『それってNGでできない事なのかな』と震える気持ちも痛いほど分かります。けれど、私が凛ちゃんの担当オタだったとしたら、その可能性掴んで欲しいと願っていた気がします。凛ちゃんに与えられたチャンスは凛ちゃんだけのものだから。加蓮ちゃんや奈緒ちゃんのデビューどうこうではなく担当アイドルの可能性に賭けてみたい。だから、凛ちゃんがTPをやってみたいと言った時はワクワクしました。けれどこれが、卯月ちゃんや未央ちゃんのオタクしてたら、んー、応援はするけど複雑だったかな。どうだろ。でもやるからには2人が新しい何かをはじめられるきっかけになって欲しいと。

凛ちゃんの決意に引っ張られて未央ちゃんはお芝居の道へと進みます。1期でアイドル辞める!なんてことを言っていた未央ちゃんはそこにはいなくて本当に『んあー!この子めっちゃ成長した!未央ちゃん最高だな!』という気持ちにさせてくれました。(NG3人で読み合わせしてる時につぼみ流すのずるかったですね……)

そして、少しずつ少しずつ。

卯月ちゃんの手から希望が零れていってることを、誰も気づかずに秋のライブが開催されたCPは継続していきます。(秋のライブでのTPは圧巻だったし、何よりもふみあり可愛すぎて頭抱えました)

CPはよりいっそうの成長の為に各々が仕事をこなして行きます。そんな中で、Pは卯月ちゃんに『アイドルとして何がしたいか』を問います。この時点で、ハッとしたのは卯月ちゃんの『アイドルとしてやりたいこと』て全部やり切ってしまって、その後が何も無かったんですよ。アイドルになるまでは沢山やりたいことがあった。アイドルになってひとつずつそれが叶い充実していた。が、それからの卯月ちゃんは何処にもいないんです。未央ちゃんは芝居。凛ちゃんはTP。卯月ちゃんだって新しいことをはじめたくて一生懸命お仕事をしていくけど彼女の中で2人に感じる後ろめたさみたいなものは払拭されることはありません。嫉妬とか羨望とかそういう感情ではなくて、ただただ卯月ちゃんは未央ちゃんと凛ちゃんの背中に追いつけない現実に飲み込まれていってたんですね。

時折、自分の掌を見やる描写がありましたが振り返って見てみると胸が痛くてたまりません。

スランプに陥り『笑顔なんて誰にでもできる』なんて卯月ちゃんに言われてしまい私はボロボロと泣いてしまいました。卯月ちゃんにはそんなこと言って欲しくなかった。だって、卯月ちゃんの笑顔にCPのメンバーもPも事務所の人たちもきっと幾度となく救われてきていたんだから。以前も書きましたが、アイドルマスターシンデレラガールズのアニメは、卯月ちゃんを無能扱いした訳ではありません。アイドルになりたくて頑張って頑張って進んで来た女の子の夢が叶った瞬間、そしてそれからの迷いを描くことが出来たのは、この作品で卯月ちゃんだけだったんです。アイドルはいつだって迷って立ち止まってそれでも顔を上げて走ります。キラキラしたシーンを見ていて、数年後『実はあの時悩んでた』という記事を見ることも多々、現実のアイドルにはあって、そんな部分を見たくないなんて人も言うけど私はあぁ、振り返って笑って懐かしめるくらいにまた成長してくれたんだなといつも思います。有難う。アイドル続けてくれて。と。

悩んで悩んで怖くて自分だけの笑顔になれるかも不安で、だけどそれを確かめたいから『私もキラキラできるって信じたいから』そう言って再びステージに立って最高のS(mile)ING!を歌い上げた時に、『卯月、アイドルでいてくれてありがとう』と、思いませんでしたか?私は担当でもない卯月ちゃんに号泣したし、今年の冬に一緒に見ていた菜々さんPの友人もボロボロと泣いていました。

アイドルが、アイドルでいてくれることは当たり前じゃありません。現にどれだけ応援していても辞めてしまう子もいます。その子が決めた次の道を否定することはないけど、『やっぱりアイドルでいてほしかった』と少しだけ悔やみます。アイドルをしてくれていた君が大好きだったからと。それを辞めずに壁を乗り越えて再びあの舞台で『島村卯月頑張りますっ!』て言ってくれたから、私も頑張ろ。好きな子が頑張ってるから頑張ろう。という気持ちにさせてくれるアイドルが大好きです。

卯月ちゃんの掌には何も無かったわけではありません。ずっとキラキラする星はあったけどその星を光らせる術が見当たらなかっただけ。

『愛をこめてずっと歌うよ』そんなこと歌ってくれるアイドルが、頑張りやなシンデレラが無能なわけないんです。

 

CPが掲げる『Power of Smile』てきっとそういう事なんだな。そのコンセプトを確固たるものにしてくれたのが島村卯月というたったひとりの笑顔が素敵な女の子でした。そしてその笑顔の先には手を引いてくれる未央ちゃんや凛ちゃんがいて、そしてPがいる。デレマスの、アイマスの素敵な所でもあります。(ステージで言葉詰まる卯月ちゃんを見つめる未央ちゃんと凛ちゃんの繋いだ手はとても温かかったなぁ、)

 

実は私、24話でデレアニ完結してると思ったんですがある日『あれ?コンプ視聴になってないぞ?』となりつつエピソード開いてみたら25話がありまして。24話の終わり方があまりにも綺麗だったから満足してしまってたんです。でもよくよく考えたら24話で終わってしまうとデレアニではないんですよね。ちゃんと346のアイドルを描き上げるのがデレアニだと思っていたので。25話は24話を見てから数ヶ月後だったのですが(本当に自分アホだなと実感しました) 少し時間を開けて見て正解だったかな。勢いで見てたら24話で終わっててよかったんじゃない?と思わなくもなかったからです。25話が悪いわけではなくて高揚感の問題なんだろな。というのとPoSのライブ自体少し間が空いての事だろうから切り替えて見ることが出来て良かったです。アホでよかった私。

346事務所の強みは色んなアイドルが所属していて適材適所なお仕事がこなせるところだと思っています。シンデレラの舞踏会はそれがきちんと色出せてるし、何よりもCPメンバーの顔つきも変わって見えました。あぁ、成長してるんだな。自分なりのアイドルを見つけたんだな。と。ポップアップで飛び出したNGが見た景色はどんな景色だったろう。色んなものを乗り越えてきた彼女達に映る世界はやっぱりキラキラしててほしい。そう思わせた瞬間に歌われる流れ星キセキは極上でした。

ラスト円陣からのM@GIC!。この曲の歌詞に『だってシンデレラは頑張りやでしょ?』というフレーズがあって、それはまさに彼女達のことで挫けそうな時も歩けない時も誰かに背中を押され手を引かれ時にはひとりで立ち上がって彼女達は前に、先へ、夢の先をこれからも目指してくれるんだなと思わせてくれました。

EDはあえてCPとしての活動ではなくそれぞれの冒険を描いています。それぞれがそれぞれの場所で種を撒いていつかそれが大きな花を咲かせるその日には、きっと、シンデレラプロジェクトのメンバーや346プロに所属しているアイドル達がまたファンに素敵な景色を見せてくれると信じて。

慣れないこのピンヒール、10cmの背伸びも誰か魔法で変えてください。ガラスの靴に。

 

その魔法をかけられるのはきっと。

他の誰でもなく私達でありますように。

 


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ただ、ジャニオタに見てほしいと書き綴ったこのブログは10月までに後半を書ければと思っていました。しかし持病やらで体調を崩したりオタクを辞めようと何もかもヤケになったりと随分と書き上げるまでに時間がかかってしまいました。少し好きなものから離れ、少し自分を見つめ直して、私はなんて好きという思い出構成されているのだろうと思わされました。次元関係なくアイドルが好きでキラキラしてるその姿に勇気を貰います。書きたいことを書き殴ったので見る方への配慮が一切ないですが、最後に、アイドルマスターシンデレラガールズのアニメは、駄作などではありません。とても素晴らしくとても丁寧にアイドルを描いてくれていました。そんな作品に出会えたことを感謝して。これからも、シンデレラガールズを応援したいと思います。そして、まだまだ沢山のアイドルがいるシンデレラガールズ

今度はさらに成長したアイドルに会えるアニメが見られることを楽しみにしているので、お待ちしてます!