ただひとつの栄光を選びに行った君の輝ける世界

『選ばれなかったなら選びにいけ

ただひとつの栄光』

 

BUMP OF CHICKENの『オンリーロンリーグローリー』という曲のワンフレーズを聞く度に末澤誠也を思い浮かべる。

今でこそ関西Jrの中でも知名度がありファンもいる末澤くんだが、1年半前はその存在すら危ぶまれてるようなJrのひとりであった。

末澤くんを初めて見たのはジャニーズWESTの1発めぇぇぇぇぇぇぇの時だった。その時はまだ関西Jrに疎く全員の名前すら把握していなかった。まして、Jr紹介もなかったから余計に分からず『普段見ない子がいるな、』くらいの感覚だった。この時の『普段見ない子』は末澤くんと吉岡廉くんである。名前も知らない末澤君を見て、『チャラッ、』という印象を受けた記憶はあるがそれ以外の印象は今考えても全く出てこない。めぇのときはWESTを見るのに精一杯で、Jrを見る余裕なんてなかったから当然といえば当然である。

 

そんな末澤くんの名前が広まったのは2015年4月のことだ。当時、金内柊真くんが退所してしまった関西Jrは長い氷河期に入るとオタが口を揃えていた。私もその1人だった。メインを張っていた金内くんの退所。関西を引っ張って来ていたWESTのデビュー。このまま鳴かず飛ばすで関西Jrは構築されてしまうのかと、Jrに興味を持ち始めていた私は何とも言えない気持ちのまま金内くんがいなくなった事実を少しずつ受け入れていっていた。そんな中、中山優馬くんのツアーがはじまった。オーディションで選ばれたのは関西Jrの当時のGangStarの面々。そして、末澤誠也。私のTwitterのTLに溢れた言葉は『末澤事務所辞めてなかった』である。よく良く考えればWESTに付いていたのだが、末澤くんだと認識してた人が少なかったのだろうか。

末澤くんの入所は2009年。同期はそれこそ朝田くん、今江くん、リチャード、大橋くんというfunky8メンバーたちだ。2009年の入所から所謂干されであった末澤くんの姿は舞台上にはなくよく『退所したのでは』と囁かれていたらしい。私はこの期間の関西Jrを知らない。人から聞いた話やネットから得た情報しか手元にはないが、確かにどこを見ても末澤くんが出演した作品というものは少ない。そんな彼が中山優馬くんのバックを勝ち取ったのだ。自らオーディションを受け、選びにいった栄光は彼の背中を押した。中山優馬くんのコンサートでは『舞い、恋』という曲でメインとして踊っていた。さすがにオーディションで勝ち取っただけはあり、踊りが引けを取らないくらい上手かった。何でこんなに踊れる子が干されてたの?なんで?と疑問を抱くくらいに完成されたものがあった。中山優馬くんのコンサートの後はジャニーズWESTの1stツアーパリピポへの参加。その年の松竹座で公演された少年たちでは看守側でセリフも多く与えられていた。その後、ドッグファイトへの出演、WESTのラッキィィィィィィィ7への参加。現場だけではなくまいどジャ~ニ~のスタジオ出演も多くこなしている。本当に何度も驚かされるが、演技もでき、テレビでの立ち回りも十分に出来ていた。末澤くんはいつか自分にチャンスか回ってくるその日に備えていたのだろうか。まさにオタが口を揃えた『進撃の末澤』そのものである。

何度も辞めるタイミングなんてあったはずだ。心折れそうな時もあったはず。それでも、末澤くんはアイドルであることを選び続けてくれていた。誰かの『辞めれば?』という言葉を待っていたかもしれない。けれど、アイドルでい続けてくれた。だから私は今末澤くんのパフォーマンスをこの目で見ることが出来る。

身長が小さい末澤くんは誰よりも自分を大きく魅せる方法を知っていた。だからこそ、どこにいても目を奪われる。踊り終わったあとに客席を煽るように上げる口角。なんという、自信の現れだろう。掴み取ったものに満足せず、その向上心で更に磨きをかけている。

この先、末澤くんを見るたびに幾度となく『アイドルを続けてくれてよかった』と思うのだろう。そのたび、幸せだと思う。彼に出会えたことを。

2015年の春。

確かに関西Jrは氷河期を迎えようとしていた。けれど、それを打ち砕いてくれたのは他の誰でもなく末澤誠也という存在だったと思う。いつか報われるを身をもって証明してくれたと同時に関西Jr全員の驚異でもあったはずだ。その夏に見た松竹座は不器用で不格好だけど、キラキラした関西Jrがいて、相乗効果を目のあたりにした。末澤くんがいなければ、funky8というグループも生まれなかった。大好きでたまらない8人を作り上げたきっかけは、末澤くんだと思う。この先、末澤くんがアイドルを続けてくる限り、私の『アイドルはいつだって、夢を見させてくれる』が証明されていく。それが嬉しくてたまらない。

 

末澤くん、

君が選びにいった栄光は正しかったですか?

その答えをいつか、聞かせてください。