君こそが希望だから。

3月10日、午前8時半。

いつもより綺麗に引けたアイラインが嬉しくて何度も何度も鏡に向かってにこーっと笑っていた。その日、私にとって春松竹初日の朝で、テンション上がりすぎて階段から落ちてお尻を打ったけど、君に会えるし大丈夫!て笑いながら支度をしていた。

新しいスカートはこの日のため買ったもの。カバンにレターセットをつめて待ち合わせの時間までカフェで君へのお手紙を書くことにした。新しいレターセットはお星様柄でペンの色はいつものデニムカラー。まだ書けてなかったあけおめの感想を書いて、少し元気がないかもしれない君に、大好きの気持ちをいっぱい詰めた。

 

だから、幕が開いて君の、朝田淳弥くんの姿がないことに気付いた時、心臓の音が嫌に大きく聞こえて、煩わしかった。

数日前に起こったことの経緯はよく知らない。早売りの画像を見たくて検索してみたら同じ画像がタイムラインいっぱいに表示された。彼女との画像が流出したのだなと、悟った。

 

(あ、やらかしたな)

 

そのぐらいの感覚だった。相手がどなたかも知らないしどういう状況なのかも未だに分かってないし多分、この先も知ることは無い気がする。ただ、嫌悪感を抱いたのは彼の画像をアイコンにしているアカウントが意気揚々とそれをツイートしていたことだった。そして、ここぞとばかりに彼を叩いていたのは彼の担当ではない人たちだった。不思議なことで、自分の担当じゃなければ容赦なく叩くんだなと。それが、同じステージで切磋琢磨してる仲間であってもだ。

朝田くんのやったことは許されないし誹謗中傷も仕方ないことだとは思う。けれども、彼の担当を名乗っている私はさほど、怒りというものはないのです。たぶん、彼に求めているのはアイドル性であってそのアイドルの部分は私の目に見える範囲であればいいと。プライベートもプライバシーも彼のものであって、そう言った見えない部分がイメージにそぐわなくても私は一向に構わないのです。自分の見る目が無かったんだなぁ。くらいの感覚。でも、ステージに立ってアイドルをしている朝田くんは本当にキラキラしててドキドキワクワクさせてくれるんです。だから、この春松竹は凄く楽しみにしていたんです。短いとはいえ今江くんと歌わせてもらえると聞いていたし、その曲が二宮くんと相葉さんのユニット曲と聞いて私の夢がまたひとつ叶った。と初日のレポを読んで泣いて喜びました。和太鼓にもチャレンジしていて朝田くんの経験値がまた上がるんだな。て。嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

でも、朝田くんはステージにいなかったのです。隣にいた今江くんファンの友達がチラッと私を見た時に「あぁ、やっぱりいないんだ」と確信し、それは今ステージ同じく不在の今江くんの都合ではなく確実に朝田くんの都合だと悟りました。中盤で今江くんが登場してきた時にほっとし、その瞬間に少し会場の空気が安堵したことが分かりました。私も、安堵しました。それと同時に申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになり上手く呼吸が出来なくなったのです。

過呼吸だなと頭の隅っこで判断しているのに脳の殆どが申し訳ないという思考で埋め尽くされていました。朝田くんとシンメ立ち位置にいるせいで今江くんに迷惑がかかってしまった。自分が「辞めんといて」と引き止めた今江くんにだけは迷惑かけちゃダメだよと、泣いてしまいそうな気持ちをぐっと飲み込み俯きました。そして、友人に「だいちくんの、出番減らして、ごめん、ごめんね、」といい大人が泣きじゃくったのは公演が終わった直後のことでした。

 

もう、どこを探しても朝田くんは居なくて、朝田くんが居なくても成り立ってしまうステージが怖くて、朝田くんの穴なんてあっという間に誰かが埋めてしまうんだ。実際、3/12から3人が参加して本当に何事も無かったかのように扱われてて、この件があっても無くても変更されていたであろう点も故意に見えてしまい私の心はどんどん萎んでいく一方でした。

検索をかけるのが怖くて彼の不在を調べることも出来ません。昨日の友は今日の敵すぎる。

何万回でも言いますが、朝田くんに100%の非があります。だからこそ彼はニ日間は舞台に立っていただろうし立つことが責務だと思っていたのかも知れません。そんな負けず嫌いで詰めは甘いけど真っ直ぐな彼が、舞台に立つことを、止めたのです。

私は、悲しくてたまらなくてどうしようもなかったけど、英断だとも思いました。

私が一番怖いのは、彼がもう二度と舞台に上がれないことなのです。向けられる侮蔑の視線も投げかけられる心無い言葉も彼は二日間は受け止めていたのです。怖かっただろうな。

私の好きなアイドルマスターシンデレラガールズの一曲、『生存本能ヴァルキュリア』にこんな歌詞があります。

 

「生き残れ、深く傷付いてどうしようもない時には逃げてもいいから」

 

逃げることも時には勇気なのです。

彼は逃げたのかもしれません。けれど、あのまま続けてたら、彼はもう二度と舞台に立つことはできなかったかもしれない。

私生活に支障が出るほどに自分を追い詰め一瞬でも彼が自分を傷つける方向に思考を向けてしまったら、誰に責任があるのだろう。

彼が悪い。確かに朝田くんが悪い。

けれど、現状は?

悪ノリで陰湿に彼を中傷し続けるのは正解なのだろうか。

彼が舞台に立てば立つなと言われ、舞台を降りれば逃げるなと言われ、じゃあ、中傷している方々はどうすれば、満足するのでしょうか。朝田くんがアイドルを辞めることですか?それともあの舞台で謝罪をすること?

どれを取っても彼は中傷されるのでしょう。

いい玩具が見つかりましたよね。叩いても誰にも咎められず自分の素性が分からないから言いたいことを言えてしまう。イジメとなんら変わらないよね。

そんな自分を貴方は、貴方が応援する人に誇れるのかな。

私は、彼に誇れる人間で在りたいから、朝田くんが好きだから。自分に出来ることを少しずついつも通りやっていこうと決めました。

私と同じように検索をかけられず、ブログやツイートで謝罪を繰り返すファンの人がいて、憤りを飲み込んで震える夜を過ごすファンがいて、そんなの絶対におかしい。

だから、もうこんなこと、これで終わりにしませんか。もし、次に同じように誰かが追い詰められることがあるとしたなら、私は他の担当の方にこんな思いはさせたくないです。あの時こんな事を言われたからなんてやり返すつもりも毛頭ありません。

朝田くんのファンが今尚受けている現状はここで区切りましょう。

そして、今朝田くんがいなくて言いようのない不安を抱えてる貴方。大丈夫です。ひとりじゃないです。同じように朝田くんとどう向き合っていけばいいか悩んでる人は貴方だけじゃないよ。ひとりじゃない。大丈夫。

 

朝田くんはとても愛されている子です。

沢山迷惑をかけてるはずなのに、西畑くんは柔らかい口調で、「未来に乾杯ですね、」と言ってくれて。それを聞いた今江くんは優しく笑っていました。

関西ジャニーズJrは無敵です。お互いが高めあっていいものを作り上げる最高の集団です。そんな彼らが朝田君の事をこんなにも優しく存在を示してくれました。

ありがとう。どれだけ感謝してもしきれません。だから、これからも応援させてください。

 

朝田淳弥くん。

私は君が大好きです。

歌もお芝居もちょっとへたっぴだけどダンスはしなやかで本当に綺麗で。ベースを触るのも初めてだったのに限られた時間で練習して、苦手なMCも工夫して。何よりも、君が好きじゃないというくしゃっ、とした笑顔が最高に好きです!

 

生存本能ヴァルキュリアにはこんな歌詞もあります。

 

「戦うよ。君が立ち上がり続ける限りは、君こそが希望だから。共に生きたいから」

 

持病が次第に悪化し夢なんてとうの昔に置いてきた私が、朝田くんの夢が叶うことが私の夢だと言えるようになりました。

君は私の希望なんです。

 

だからまた、飛び切りの笑顔で帰って来てください。まだ、未来に乾杯は言いません。

だって、朝田くんの未来も、関西ジャニーズJrの未来も、私たちの未来も無限なんだもの。

 

明日もきっといいお天気だから、君の大好きな星が沢山見えるよ。明日もきっと、いい日だよね。